2014年12月28日日曜日

ソシャゲのインフレ問題


突如発表された『拡散性ミリオンアーサー』 サービス終了の真相を訊く [ファミ通app]


岩野弘明氏(以下、岩野)

いまだからお伝えすると、
もともと『拡散性』を配信する前後で、
とあるどうしようもない事情からコアスタッフが抜けたんです。
その状態で運営を続けていき、ありがたいことにヒットはしていたのですが、
それ以降に新しい展開や盛り上げ施策を行おうとしても、うまく運営ができずにいました。

――そんなことがあったのですか。

岩野
コアスタッフが抜けてしまったがゆえに、
核となるプログラム部分がブラックボックスのようなものになってしまい、
それを手探り状態で更新していたんです。
それをなんとか打破しようと考え、運営1年後のタイミングでいまの運営会社に移管をしました。
そのタイミングでプログラムを1から作り直そうという話もあったんですが、
通常の運営をしながら並行して新規でプログラムを作るのは思った以上の難易度で、
想定していた作りにはなりませんでした。

結果、運営のしやすさはさほど変わらない状態で、
新しい仕組みを取り入れることも難しくなっていました。
そのような大きな壁にぶつかったことが、ひとつの要因です。



このインタビューは面白い。
拡散性ミリオンアーサーのプロデューサーは
わりとぶっちゃけトークするので
はたからみてるだけだと好感もてる。


しかし結論から言うと
拡散性ミリオンアーサーの失墜は、
インフレコントロールのための仕組みが薄く、
ゲームがシンプル過ぎて仕様追加しづらいのに、
KPIにあわせた課金イベントをしすぎたせいだと思われる。



コアスタッフが抜けたのが原因?


「コアスタッフが抜けてしまったがゆえに」
というのはあくまで方便だろう。
初めの3ヶ月ほどやってみたが
デッキ組んだらタップして前に進むだけのオートバトルなので
半裸の女の子捕まえる以外にやれることはほとんどない
かなりシンプルなゲームだ。


裏でどんな複雑な計算をしていたとしても、
まさかプログラムが仕様書とは言わないだろうから
このシンプルなゲームが他のソシャゲよりも修正が難しく、
作りなおすのが難しいということはないだろう。


ただ、あれだけシンプルなミリオンアーサーを
拡張しようとした場合は土台レベルから整合性とるのは難しく、
それゆえイベント運営にも歪んで問題がでてきたのだと思う。


運営の失敗


ミリオンアーサーの運営失敗というとこの記事でまとめられていて

メディア・業界の方へ『拡散性ミリオンアーサー』の不誠実な運営に私は怒っています。


お得なイベントで大量に課金させておいて、
やっぱりお得すぎたから、ポイント減らしますとか
他の項目をデフレさせますとか、
これまでのSR課金の価値が下がりますとか、
KPI最優先の運営になっていて、
課金したユーザーの配慮より
コンテンツの延命を優先してる事がわかる。
せっかくイベントに最適化した課金ユーザーへの
容赦無い裏切りが多すぎるようだ。

これはそもそもインフレコントロールができてないし、
イベントの影響を細部までテストしてないのがまずい。
拡散性ミリオンアーサーはそう大盤振る舞いするほど
1年中新しいカードが出るとか、
毎日シナリオが送られてくるような
大量消費できるコンテンツはもっていない。


コンテンツ消費が早過ぎる問題


ネットゲームには強さのインフレに対するコンテンツを作るより、
ユーザーが消費するほうが圧倒的に早いという問題がある。

コンテンツインフレ問題を
ドラゴンボールやイナズマイレブンで言うと、
日本一、世界一、宇宙一、魔界一、天界一、
あの世一、時空を超えて過去一、未来一。
という風に、強さのインフレは次元を超えてまで急激に追い求めないと
すぐにコンテンツが飽きられてしまう。
インフレバトル物の場合
過去、未来まであさったら作品の終わりが近いと考えていいだろう。

それをなんとか今ある素材で抑えるため、
インフレさせないよう長く遊んでもらうためポイントを出し渋るのと、
面白くしたり、課金させるためにポイントを放出するのとを
パチンコの出玉のようにコントロールする必要がある。

土台となる基本ルールは後から変えられない


拡散性ミリオンアーサーを長期運営するには、
このインフレの仕様をどうにかする必要があった。
しかし元々タップして前に進み、
デッキがレベル上げて物理で殴るオートバトルが初期仕様なものだから
この初期仕様にさまざまな組み合わせや、
コレクション要素や、アクション性などを無理なく組み合わせるのはかなり難しい。
それを入れるとシンプルな拡散性ミリオンアーサーではなく、
土台からまったく別のゲームになって、
これまでプレイヤーがやってきたことが無意味になりかねないからだ。


最初にコアスタッフが抜けたことを
最後まで引きずったような遠因にしているが、
新しい運営スタッフが作りなおしても想定通りいかないのは
初期のゲーム仕様がまずインフレに対応できてないのが問題だ。
毎回見たことある同じ敵を延々とタップするだけでは
ゲームが作業に成り下がってしまう。

ソシャゲは焼畑農業


で、課金ユーザーがいくらか離れたところに、11月、
乖離性ミリオンアーサーという新作が出たのがトドメとなったのだろう。

――実際、『拡散性』のユーザーが『乖離性』に流れることはありましたか?

岩野
かなり多いように思います。数字だけ見ていると当初想定していた以上でした。

安藤武博氏(以下、安藤) ただ、ひとつお伝えしておきたいのが、
本来『乖離性』が出たからと言って、
スマートフォン版の『拡散性』を終わらせる予定はまったくなく、
このような形、タイミングで終わるということは想定していませんでした。
完全に誤算です。

言い訳がましくなってしまいますが、想定していたのなら、
拡散性をベースにしたドラマの『実在性ミリオンアーサー』を仕掛けることもないですから。

――直近では10月の3DS版や11月のAmazon版などの展開もありましたよね。

安藤
我々としては、スマートフォンゲーム業界で誰もが成し遂げていない
“シリーズタイトルの1と2を平行運用する”ことを目指していました。
例えば、『リネージュ』や『ディアブロ』、
『ファイナルファンタジーXI』と『ファイナルファンタジーXIV』のような形で、
両作を続けて行きたかった。

――先ほどの岩野さんのお話にあったように、『乖離性』が配信されることで、
『拡散性』ユーザーが『乖離性』に流れることは想定されていましたか?

安藤
もちろん『乖離性』が出ることで、
『拡散性』のお客様が徐々に『乖離性』へ移行していき、
将来的に『拡散性』が発展的なクローズをしていく……という流れは想定していました。
ですが、今回のタイミングでのサービス終了は私の力不足による自爆みたいなもので、
“両方やりたかった”というのが前提にあったことは事実です。


それでも拡散性ミリオンアーサーは大健闘したほうで、
開始して3ヶ月や半年でたたむようなソシャゲが多いのも
こういうインフレのコントロールができず、
課金ユーザーからすぐに飽きられてしまうところに多くの問題がある。

中には、すぐたたむつもりで課金イベントで
一気に面白いところを消費させて次へ行こうという
焼畑農業的な運営もいたりするが
課金ユーザーもクソゲー掴まされるのに慣れてしまって
焼畑すら上手くいかなくなってるのかもしれない。


課金上位のゲームは長く楽しませるためにどうしてるか?


パズドラ、
モンスターストライク、
ラブライブなどは
対戦による消費、
合成の属性わけを複数段階、
カードコレクションのためのレアイベント、
多方向、多段階の実績コレクションとボーナス。
など、初期仕様から1方向にインフレさせすぎない仕組みがいくつも整えられ
当然ロード時間やUI、ボタンアクションひとつ取っても丁寧に作られてるが

なによりも
ゆるいアクション性から厳しめのパーフェクトスコア達成
という、「反射神経が加わったソシャゲ」になっていて
「ゲームのステータスアップ以上に自分の上達が楽しい」
という根本的な仕組みがある。

これは、ガラケー時代で5ボタンをポチポチ押すだけでは
「反射神経の上達が楽しい」という達成を得にくく
スマホでアクションゲームは元々難しいのだが、
3マッチパズル、おはじき、音ゲーの上記3タイトルが、
画面いっぱい使ったゆるい反射神経ソーシャルゲームとして
一番うまく成立した例かと思う。

アクション性だけだと難しいステージが超えられなくて飽きてしまい
ソシャゲだけだと、コンテンツ消費に追いつかないところ、
この2つを混ぜたうまいバランスが一番長くハマる。

モンハンもゆるいアクション性からはじまり、
ネットRPGなみのコンテンツを
最初から揃えるという点は似てるかもしれない。

でもスマホでアクション性というのはかなり難しいところなので
ここを開拓したり、割って入るのは結構発想の転換が必要だろう。

そこで、クラッシュ・オブ・クランは
「非同期対戦」
というまた別の消費軸を持ち込んだのが面白い。
これは確かに長く楽しんで消費できる。
画面の操作が限られてるなか
こういう発明で開拓していくのがスマホゲームのよいところだ。


ではまだこれからである3DS版やVita版の拡散性ミリオンアーサーもダメか?


といえばそうでもなく

スマホでの反省を活かして、LVやステータスひとつひとつを大事に扱い、
それこそMMORPGの長期運営のように、
コンテンツ追加に合わせたインフレ消費のコントロールができればいい。

LVひとつ、ステータス一つ、MPひとつで達成感を味わわせるという意味では
「ドラゴンクエスト」という最大のお手本が当のスクエニにあるはずなのだが、
ここを大事にコントロールして、たまに会心の一撃やはぐれメタル出して、
プレイするたびに達成感がでるような実績やコレクションになっていれば
長期の運営は可能なはず。

大人課金をしたいというユーザーを捕まえて
スマホレベルで大儲けしようというなら
課金イベントで同じ轍を踏む可能性も高いが、
3DSやVitaユーザーならもう少し長い目で見た運営を期待できるかもしれない。


まとめ


結論は先に書いたが、
コンテンツのインフレ消費をどうコントロールするか?
というのは、一番最初に考えて仕込まないと
後からどうこう仕様を追加しようとしても、
土台から別ゲームにでもしない限り、
なかなかどうにもならない部分なんだというのを
最後のポチポチゲーかもしれない拡散性ミリオンアーサーは
教訓として教えてくれたのだろう。


ソシャゲを運営するというは、
KPIがベースではなく
プレイヤーによる「毎日の達成感」がベースであって
それを最初に本気で考え抜いたのがパズドラなのかもしれない。


追記

――ちなみに、サービスの終了自体はいつ頃を予定されているのでしょうか?

岩野
2015年3月末です。それに向けて2014年12月27日(土)からサービスの一時停止と、
メンテナンスを行います。その後、2015年1月19日(月)にサービスを再開します。
具体的にどうというのは決まっていないのですが、
お金を使わなくてもいままでの”拡散性ワールド”を
楽しんでもらえるイベントを投入する予定です。
また、2015年1月30日(金)にミリコインの販売も終了します。
そこから2ヶ月間は手放しで遊べるようになっていき、
ベストなフィナーレを作り上げていこうと考えています。


実はここも気になるところ。
旧FF14のグランドフィナーレが、
かなりはっちゃけた盛り上がりイベントになったそうなので
スクエニの維持と、信用を取り戻す意味で何をするか
さすがにFF14ほどのことはできないとしても
再びダウンロードしてみようかと思う。



実写演劇の実在性ミリオンアーサーが面白いので2期もお願いします。

2014年12月23日火曜日

若い時ミスチルの歌詞に感銘を受けた人ほどミスチルが嫌いになる法則



Mr.childrenが嫌いである

僕はミスチルが嫌いだ、
嫌いになったのほうが正確か

何が嫌いかというとミスチルの曲を聴いていると
安っぽい自己啓発本や浅い哲学を聞かされているような気になってくる

くるみのPVに出てくる夢やぶれたオヤジの哀愁も
しるしの静かなメロディーラインも
HANABIの怠惰にも似た歌詞も
全て慰めに寄りすぎているような気がしてならない

優しいのだけど優しいまま終わってしまう
ものすごいぬるま湯に浸かっているような気分になる。


はてブコメントでも「昔はよかった」
「深海」「AtomicHeart」までは良かった。
などの意見が散見される。


実は僕も似た意見だ。





最近のシングル、月9の信長協奏曲に流れる「足音」 でも
映画「僕等がいた」の「祈り」でも
やはりミスチルに求められるのはこういう曲かと、
昔ほど共感できない自分がいる。


もう少し個人的な事を言えば、
若い時のこじらせやつまづきには、その優しさに共感できた。
不況に突入して世間や社会は厳しく、負け組はマイノリティで
負け組になるまいと必至にもがいて疲れている人にも
ミスチルは優しかったと思う。

ミスチルの歌詞には他の売れてるアーティストより深みがあったし、
時代の切り口を上手く捉えた伸びる若さがあるように思えた。



、、あれから20年。

やさしさは、、やさしさはもういいよ!!

ドラえもんや、バックツーザフューチャーがあったはずの今♪
20年も時間は止まったままで♫
世界の時間を進めてるのはGoogleやAppleの狂気だ!

「そのままの君が好き」

とか言ってる場合じゃないって!!
もはや負け組がマジョリティで♬
草食系がはびこるほど世間は優しすぎて♫
なのにそのまま朽ち果てていいわけ!?

突き抜けなきゃどうにもなんないじゃん!!
求めてるのはロックだ!! メタルだ!!


同じ時代の歌が消えていくこの瞬間♪
ありきたりのラブソングを否定した君が、
一番ありきたりのラブソングになってしまったんだよ!!

時代を斜めに切り込むかっこよさを♫
教えてくれたのは君なんだよ!!

だからそんな君を僕はきる!
もうそこをどいてくれ!!!


(間奏〜〜♪)



、、そうだ、優しい歌だけじゃなかった










ぬるま湯でも、鬱でもない
そして今聞いても色褪せない元気















やっぱり、そのままの君が好きだ♪






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2014年12月9日火曜日

映画の寄生獣はどうすればよかったのか




超映画批評「寄生獣」25点(100点満点中)


『寄生獣』見てきた。オマエに監督をされて残念、という気分 - 超時空超巨大小学6年生


少し山崎監督をフォローしたい。


原作ファンから改悪されたと言われてもしょうがないけど
僕は正直よく実写版を作ってくれたと思う。


人物を省略しすぎとか、1時間49分の2部じゃなく
2時間45分x2部の長編にすべきという意見は
ぜひそうして欲しいところだが、
そこまで上映館の負担が増えてヒットするかというと原作観てない人には
あまり関係ないと思われる判断なんだろう。


長編マンガの実写映画化は鬼門で、
尺が厳しすぎて全部の要素が入らないうえ
どの要素が抜けても本来の表現として物足りなさがつきまとい、
実写のCGや特撮技術が追いつかないなどの理由がある。
(とはいえ邦画CGは視聴に耐えるものになって、実際ヒットしてるが)


寄生獣など、語りも間も多い物語全10巻全ての登場人物を、
映画2部作220分に納めろというのはかなり無茶がある。

批判されてる母の行動の件も、
本来は旅館の女子高生やら、父親や、宇田らが外堀を埋めながら
新一の心情が浮かび上がって見える仕組みなのに
尺の都合上それらをバッサリカットせざるを得ないとなると、
この対決シーンで主人公の心情がまとめれなくなる。

この場合火傷の手が勝手に動く以外の締め方があったかというと難しいだろう。



ハリーポッターに原作批判が少ないのはなぜか?


ハリーポッターでも、
原作と映画とではだいぶカットされてるシーンが多くて、
映画は物足りないという気がしないでもないのだが、
あまり目立つ原作批判を聞かない。


これは元が漫画ではなく小説だからだと思う。
小説はまだ「絵になってない」段階なので、
「絵」を作る映画化というのはまだ見たこと無いプラスの作業なのだ。
シナリオ的には尺の問題でカットするしかなくても、
そのまだ見たこと無い映像が見れるというのはありがたく、
小説と映画で補完関係となれる。

しかし、漫画はすでに「絵」になっている。
するとシナリオも、映像もどちらも引き算になってしまう。
ゆえに批判にさらされる。


ここで原作ファンを少しでも惹きつけるには、原作に忠実なCGではなく
原作を上回る表現やバトルだと思う。
旧エヴァに対して、エヴァ序・破のような
原作を超える映像にするのなら、
原作ファンの予想を少し良い方向に超えるなら
実写やCGなりの価値が生まれるのではないだろうか。



この意味で期待できそうなのは「進撃の巨人」の実写版である。



映画スタッフが協力したスバルのCMは、
漫画やアニメ以上の巨人の狂気が表現されている。
寄生獣の予告は想定内の表現だったけども、
このCMはワクワクしたし、映画館でみたいと思わせる。

もちろんこれも長編マンガで尺に限界があるので、
シナリオが原作通り忠実にいくなんて期待はしない。
ただ、この映像ならオリジナル展開でも見ごたえありそうだ。


では山崎監督でなければ、誰が監督をすればよかったのか?


まだ第2部も公開されてないし、
興行収入としては大ヒットの可能性もあるので失礼な話だが。

「平成ガメラ」「デスノート」を撮った金子修介か
同じく「平成ガメラ特技監督」「ローレライ」
今度の「進撃の巨人」などの樋口真嗣か
時代に合わせた特異な演出をTVや映画に持ち込んだ
「ケイゾク」「TRICK」「SPEC」「20世紀少年」の堤幸彦か


最初の2人の批評から考えてみよう。

互いの価値観はなかなか相容れない、
理解しあえない関係であるがゆえに、
サバイバルの場ではきわめて強力な補完関係となっているのである。

だからこそ、この二人には、親しくはなれど決して越えられない壁、
という距離感を持たせなくてはならなかった。
それが、原作ラストの後藤戦における感動の結末への伏線でもある。


「寄生獣」って漫画は、最初のあのモノローグで
寄生生物が出現したところを描いていることろでよく誤解が生まれる。
連載漫画だし、岩明先生が描いているうちに
最初にあったテーマは多分、変質していったのだと思っていた。

地球とか、生物全体とか、環境とか、所謂‘エコ’みたいな
言葉で表されるような、人間と自然の対立から、
「我々は何故生きているのか」という実存を問うテーマに変わっていったのだと。



価値観が相容れない、理解し合えない補完関係、
「我々は何故生きているのか」という実存を問うテーマ。

、、だとしたら、押井守しかいないじゃないか。
パトレイバーのジャッキアップなんかしてる場合じゃないですよ!
プロデューサー何やってんの!!
ミギーも田宮も広川も原作にないあらぬこと喋りそうだけど大丈夫!!
原作ありの第1作目まではきっと暴走しないよ!!!


いや、押井守監督の実写映画、、トーキングヘッドもAVALONも見たけど
ヒットしたなんて聞いたこと無いけど、、、
でも押井監督はキャッチーな原作ありきだと思うんですよね。
うる星やつらや、パトレイバー、攻殻機動隊がそうだったように
もし押井版の実写「寄生獣」があれば、
はじめて実写ニーズとマッチして大ヒット出来たんじゃないかと。



まあ、いまノリノリの山崎監督と、押井監督を比べたら
どの会社も山崎監督を選ぶんだろう。
そのほうが確実にヒットするという判断で。

でもこの映画が入り口でもいいんですよね。
あとでコミック読んでもらえるなら、
ヒット請負人の山崎監督が間口を広げてくれると考えて
ほんとの寄生獣はこうじゃないんだと語れる人が増えるのも
よくぞ話題になるほどの実写版を作ってくれたと思います。



寄生獣 完全版全8巻 完結コミックセット
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2014年12月3日水曜日

共産党が政権を取る方法



ある共産党事務所での質疑応答(2014/11/26) - Android版ソーシャルゲーム報告

このインタビューを読んで、共産党がもし政権を取れるとしたら?
という妄想を考えてみた。

1,資本家や経団連と手を組む「共産党」


資本家と経団連を中心に、3%ほどの金融資産を提供してもらう。
税金という印象の悪い名前でなくてもいい。

そもそも資本家は購買力が高く、
社会インフラが安定してる国でこそ儲かる。
どうしたってサラリーマンは、グローバル化の低賃金化がかかり
生かさず殺さずのところに落ち着く。

そして利益の美味しい所は資本家がもっていけるのだから、
ある程度下にお金を回したほうが
ずっと自分の資産が膨らむようになる。

僕ら庶民は税金や財政をゼロサム・ゲームのように考えて
消費税の10兆円をどうするかになやむが、
世界の金融資産は数年で倍々ゲームとなりすでに数京円に達しており、
実態のない金融という世界ではゼロサム・ゲームではなく、
新しい技術と市場と、その活用が生まれるほど
お金がどんどん増えていく仕組みとなっている。
そもそも日本の株価や価値は、そのインフラや社会保障込みで動いているものだ。
こういう資本家は自分が儲かるために投資することはいとわない。

今の共産党の言い方では、中産階級まで全部敵に回すからダメ。
言うなら、
「あなたたち資本家のお金をこう上手く使った方が、
さらに経済を回せてあなたたち資本家の得になる。
中間搾取、下請け構造の偽のトリクルダウンなんてなく、
なんの利権のしがらみもなく
直接低所得者層の支援ができる党は私達だけだ。」

という
資本家や経団連の味方としての共産党となり、
生かさず殺さずのレベルを引き上げることが重要。

形のうえでは、共産党が資本家からお金を奪う事に変わりはないのだが
資本家を敵ではなく味方として扱うだけで、結果はかなり違ってくる。


2, 利権構造の改革を行う


支持基盤の利権とつながりすぎる自民や民主ではこれが無理。
医療が道路教育だろうが、ここにメスを入れられるのは
全く関係ない共産党しかないだろう。

長い利権構造にどんどん無駄が生まれるのはお役所仕事や
官僚の天下り上しかたないことでもあるし、
全てぶっ壊して作り変える時には一時的に大失業だって生むだろう。
でもそれぐらいの痛みを覚悟でやりきれば恒久的に税金を減らせる。


実はこの点で資本家が一番信用できる政党こそ共産党だと思う。

資本家も馬鹿じゃないので、自分のお金を適切に低所得者層へあてて
生活スタイルの向上や購買力へつながり
経済が廻るならばそれに越したことはない。
しかし、普通に税金として取られるとその何割もが
無駄な利権構造に絡み取られてしまう。
つまり資本家から別の資本家へお金が移ってるだけで
まったく得しない税金になる可能性が高いから払いたくないのだ。

なので利権構造のしがらみのない共産党は、
この点でも資本家を味方につけやすい。
あなた達資本家の税金という投資は無駄にならず
すべて庶民へ、倍々ゲームにとりこまれる種銭として使われるので、
より大きく返ってきますよと言える。


 3,「共産党」という名前を変える


その戦前からの名前の歴史やプライドが許さないだろうけど、
上記の資本家を仲間に引き入れて本当に変わったんだ
ということを示すためにも、
その名前の悪いイメージを払しょくするためにも、
共産党の党名変更はとんでもないインパクトになる。


これまでの「共産党」だったからこそ、
不正に強く、利権改革に強く、弱者に優しく、
そして強者の資本家とも協力する、、という体制に変更できたら
さすがに今回の選挙には間に合わなくても
あながち4年後の自民党へ対抗できるのではないだろうか?



共産党なんて大丈夫か?


確かに、
共産主義の計画生産になってみんな貧乏になるのではないか?
資本家や企業が全部日本から逃げるのではないか?
国防が弱体化し、中国の属国となるのではないか?
共産党に政治や経済をまわすことができるのか?

また、戦後のいろんな事件やトラブルも考えると
どれだけ弱者にやさしくてもイメージは悪い。
かなり悪い。

僕としては、共産主義で計画生産で
みんな貧乏になるという心配はしていない。
ソ連が没落し、中国がすでに資本主義を取り入れてるので
そんな理屈に合わない政策が実行されるわけないと思ってる。
(日本は社会党が政権とったこともあったが別に社会主義にならなかったし)

また、僕が思う「新生共産党」は資本家を仲間にすることがスタートなので
資本家も経団連も敵にはならない。

でも国防についてはたしかに不安だ。
詳しくないので棚上げになるが、
上記方針の経済政策を中心に掲げるなら
国防抜きでも支持者は増えるかもしれない。


あと、政権取ったことない民主党の4年間がグダグダだったのに、
共産党に政治や経済が回せるのか?
官僚も味方になってくれるかというと、
それも大きな不安点になる。
改革なんて言ったら8年はかかるかもしれないのに、
ぶっ壊し中に4年後自民党へ戻ってしまうと
民主のときのように傷口広げるだけになってしまう。

そう考えると、大穴すぎて不安は尽きないが
こうやって選挙の選択肢を増やしてもらわなければ、
自民がダメならどこいれたらいいんだという現状では投票率も上がらない。


ぜひ共産党には、資本家や経団連を仲間に引き入れ、
官僚も、天下り狙ってる老害は無理だろうけど
入りたての若い真面目な官僚とのつながりを強化しつつ
そして名前を変えるぐらいのインパクトをもってほしいと思う。

自民党への対抗勢力として
これまでの敵(資本家から中産階級)を攻撃する政党では
今回も議席2桁すら届かないだろう。
ゆえに味方(資本家、経団連、官僚)を増やす政党になって欲しいと切に思う。

0.1%の富裕層格差が開いても一向一揆が起こらない理由

アメリカ人に衝撃「ついに富裕層0.1%が下層90%の富を抜いただって!?」1929年以来初の記録:らばQ


アメリカの「スーパーリッチ」が世界の所得格差を拡大させる 0.1%の最富裕層が世界の富を独占


この辺は、わりと煽ってる部分が多くて
別に富裕層の富が倍増したのは下位90%から2倍搾取したからではない。
下位90%も富裕層に比べればわずかながら所得は増えてる。
あるいは長いデフレ化によるサービス向上や技術の発達で、
同じお金で得られるものが増えてる。

というのは、2008年のNHK番組「マネーの暴走」において、
マッキンゼー調べで、
世界の金融資産は1京7000兆円とあり、5年前はこの半分だったそうだ。
つまり2003年は8500兆円で、
5年で金融市場がどんどん加速して増えてることになる。
2008年の話なので、2014年に3京円になっていてもおかしくない。
この増えた部分が格差となっているわけで、
低所得者層から奪って増やしたわけではないのだ。


ただ資本主義社会において、
サラリーマンは常にグローバルレベルの低賃金化圧力がかかり
増えた利益は資本家がもっていくという構造になる。

こういう社会構造の意味では、
日本でもNISAが始まったし投資は1万からでもできるし
格差の固定化を抜けるため、 家計に投資項目を混ぜたり
学生に対して投資を教えるということがあってもいいと思う。


政府はお金がなくて数十兆円の確保すら消費税上げるのも
経済に悪影響があってやりきれないのに
金融資産は数百兆円レベルで膨らんでいく。
これでは日本人全員がなんらかの金融商品もってないと
あまりにもバランスが悪い気がする。

富裕層の1%の寄付でいろんな問題が解決できるけど、
その理由がないので、どうしたらいいのか。
でもどうしてもそういう格差に目がいってしまうというか。
そのうち政府ではなく、資本家の意向で国が動くようになるんだろうか?
あるいはもうそうなってるのか。

政治が変わらず、こういう社会構造が続く限り
ただの教育だけでは格差固定の解消には弱く、
社会構造に合わせた金融教育も必要なんじゃないかと思う。

2014年12月2日火曜日

「けいおん!」に学ぶ格差問題


外資系OLのぐだぐだ 日本の格差社会は「差が見える」から問題になる:サイゼリヤで食べることで”気遣う”富裕層

そして、そういった場合に遠慮するのは「富裕層」だ。
ご飯を食べるとき外ならサイゼリヤかさくら水産で、
それでも相手のペース以上にお酒を飲んではいけない、
海外の話はしない、暮らしぶりが判るような話ではなく
「男女間の友情ってあると思う?」
みたいな、誰とでも話せる話題を選ぶ。
それでもちらっと現状が もれることがある。
そのとき、富裕層は「しまった」と思い、
貧困層は「なぜ”同じ”なのにこんな差が」と思う。

格差が問題に見えるのは、目に見える場所に差があるからだ。
派遣社員の前に正社員が座っていて「同じ」仕事をしている。
「同級生」で貧富が明らかに違う。
平等だといわれているのに実情が異なるとき、
怒りが生まれるのは当然のことである。

そういう意味で、私は階層別に学校を分けたり
職場を分けたほうがいっそお互いにやさしくなれるのではないかと、
一番最初のサイゼリヤの件を聞いて思っている。

大きな格差問題と、 個人のコンプレックスは別問題。
確かに、収入が同じ人を並べるほうがコンプレックスは発生しにくいが
それで格差問題は解決されない。

まあ、派遣社員と正社員で同じ仕事をしてるのはどうかと思うが
「同級生」を貧富で分けろというのは反対。
だってその世界ではレスポールが買えない唯と、
金持ちのムギがバンドを組めなくなるから。


映画 けいおん!  (Blu-ray 初回限定版)


「けいおん」の大人飲み会はサイゼリヤか?


もちろんこれはアニメのとても平和で理想的な世界だからこそ
格差問題的なコンプレックスは描かれてないわけだが、
ではこれを、現実の親仲間の飲み会で延長するとしたらどうか?

ムギはサイゼリヤに合わせても楽しくできるだろうが、
そんなことしなくても
ときどきムギがランチでもディナーでも奢ればいい。
海外の話だってしてもいいし、
なんなら海外の別荘へ招待したらいい。

友人関係で大事なのは、
一緒にいて楽しい時間を過ごすことであって
ただそれだけのことでお互いを認め合うことであって
そのとき金を持ってる奴が、
そのとき金のない奴の負担をすることである。

劇中でも、レスポールをムギの力で大幅値下げしたり、
別荘へ2度招待したように、
要は富の再配分を国のみに頼らず、
友人や仲間の中で行うことだ。


低所得者層は「気持よく受け取ること」を覚える必要がある


富裕層で大事なのは財力で友人の時間を「活用すること」であり、
低所得者層はメンツとかコンプレックスとか考えず、
子供のように「気持よく受け取ること」である。

どちらかというと問題なのは低所得者層のコンプレックスであって、
気持よく受け取ることができないことにある。
宵越しの銭は持たないという勢いの江戸っ子ならともかく、
お金持ちの視点が無く、低所得者層の金銭感覚では
富裕層のちょっとが「重い」ので、どうしても気後れしてしまう。


富の再配分で特に問題なのは低所得者層に「富を受け取る理由がない」ことにある。

 
国の財源では強引にばらまくことが出来ない。
では共産主義ならいいかというと、
それでは配るための生産力が上がらない。

実は会社としての富の再配分が成り立っていたのが
「年功序列」
何しろ「能なし」でもまともに歳相応の給料が得られた。
企業でほんとに金を稼ぐ部署は2割程度と言われる。
今の成果主義や派遣社員では、その2割しか大きな給料がもらえない。
年功序列だと企業の負担は大きいが、
そのぶん民間の購買力が高いので経済は回しやすい。

しかし、年功序列はバブル崩壊やリーマン・ショックという
巨大な波には耐えられなかったゆえ、
会社としての富の再配分は過去のものになりつつある。
というのは嘘で、別に成果主義や派遣社員制度でもそんな波には耐えられない。

人を切って法人を生き残らせるための、
短期的視点での成果主義や派遣社員への切り替えだった。
長期的に見て経済を回復するために、
法人や株主と同等に「(だめな)人(も)」を扱って欲しい。
富が回らなければいずれ富める者もジリ貧になる。


富の再配分を「国」「会社」「友人」の3段階で考えてみる


けいおんから学ぼうというのは、
富の再配分をその友人関係で考えて
「友人関係の富の再配分」を実現しよう。
となる。

さすがに直接金銭を与えるのは気が引けるし
(税金的にもまずいので)
富裕層はちょっと嘘をついてでもお金を見えない形で、
チケットが偶然あたっただの、 あれこれが余ってるだの
それこそレスポールの値引きや別荘じゃないけど
間接的な支援をしたらいいと思う。

低所得者層がここで遠慮するのは、それが「借り」になって
頭が上がらなくなると思うから。
それは貸し借りではない、唯とムギにそんな関係はない。
富裕層は友人関係に「貸し」のつもりで支援などしない。
 
例えば1万円分の負担が、自分にとっては全財産の2%でも
富裕層には0.0001%の出資だったりするので、
自分は人生の0.0001%の時間を出資して
一緒に楽しく過ごすという交換で考える。
それでも気が引けるならプラスアルファで場を楽しくするよう務めたらいい。

お互い嫌な頼み事は断っていいし、
富裕層のムギが困ったときは
出来る範囲のことで一緒に考えてくれたらそれでいい。
いつか富裕層が逆転したら自分も負担するつもりでいたらいいし、
自分よりさらに低所得者層には0.1%肩代わりしてあげればいい。

お互い貸し借りなど意識しないことが大事。


富裕層と低所得者層の友人で金を廻すミクロのノブレス・オブリージュ


岡田斗司夫は就職難の大学生に対して、
「誰か1人パチンコ屋の息子を捕まえて、社長になってもらって
好きなアニメやゲームを作ったほうがいい。」
といったが、ほんとにそれもありだと思う。

格差問題をミクロ側から解決する場合、
奢られても貸し借りはない、そのとき金を持ってる奴が出す。
そういう気持ちのいい関係を築くためにも、
学校は金持ちでも貧乏でもいろんな奴を混ぜたほうが楽しくなると思う。